腸骨内板からのブロック骨移植によりインプラント治療を行った1症例

インプラント治療の際の骨造成に用いる材料には,人工骨と自家骨がある.広範囲にわたる外側性の骨欠損に対する骨造成には,自家ブロック骨移植が最良とされ,そのドナーとしては腸骨を選択することが多い.その際,成人の場合は一般的に腸骨陵よりブロック骨を採取するが,術後の形態的および機能的な問題を生じることが少なくない.今回,我々は腸骨内板よりブロック骨を採取して,高度に吸収した上顎欠損部に骨造成を行った.8か月後,同部にインプラント埋入術を行い,さらに7か月後に二次手術を行った.その2か月後にはプロビジョナルレストレーションを装着して,インプラントに対する荷重を開始した.5年3か月経過した現在も,移植し...

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Published in日本口腔インプラント学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 181 - 185
Main Authors 立川, 敬子, 森, 良之, 野口, 忠秀, 作山, 葵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 30.06.2024
日本口腔インプラント学会
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ISSN0914-6695
2187-9117
DOI10.11237/jsoi.37.181

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Summary:インプラント治療の際の骨造成に用いる材料には,人工骨と自家骨がある.広範囲にわたる外側性の骨欠損に対する骨造成には,自家ブロック骨移植が最良とされ,そのドナーとしては腸骨を選択することが多い.その際,成人の場合は一般的に腸骨陵よりブロック骨を採取するが,術後の形態的および機能的な問題を生じることが少なくない.今回,我々は腸骨内板よりブロック骨を採取して,高度に吸収した上顎欠損部に骨造成を行った.8か月後,同部にインプラント埋入術を行い,さらに7か月後に二次手術を行った.その2か月後にはプロビジョナルレストレーションを装着して,インプラントに対する荷重を開始した.5年3か月経過した現在も,移植した骨は安定しており,インプラントの状態も問題なく経過している.
ISSN:0914-6695
2187-9117
DOI:10.11237/jsoi.37.181