輸血専従技師における輸血療法の補足説明及び同意書受領の取り組み
医師の時間外労働の上限規制が適用されることに伴い,タスク・シフト/シェアの推進が求められている.我々は「輸血に関する定型的な事項や補足的な説明と同意書の受領」に着目し,「補足説明業務」として運用を開始した.対象は血液腫瘍内科外来を受診し,輸血用血液製剤投与予定の患者とした.説明を担当する輸血専従技師の教育は,ISO 15189で作成した力量評価表を活用し,認定輸血検査技師がOJT(On the Job Training)研修を実施した.補足説明を受けた患者にアンケート調査を行い,満足度・必要性が共に高評価であり,患者の輸血療法への理解度が向上したことが分かった.補足説明業務で得た患者情報は記録...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 70; no. 6; pp. 614 - 619 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
20.12.2024
日本輸血・細胞治療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1881-3011 1883-0625 |
DOI | 10.3925/jjtc.70.614 |
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Summary: | 医師の時間外労働の上限規制が適用されることに伴い,タスク・シフト/シェアの推進が求められている.我々は「輸血に関する定型的な事項や補足的な説明と同意書の受領」に着目し,「補足説明業務」として運用を開始した.対象は血液腫瘍内科外来を受診し,輸血用血液製剤投与予定の患者とした.説明を担当する輸血専従技師の教育は,ISO 15189で作成した力量評価表を活用し,認定輸血検査技師がOJT(On the Job Training)研修を実施した.補足説明を受けた患者にアンケート調査を行い,満足度・必要性が共に高評価であり,患者の輸血療法への理解度が向上したことが分かった.補足説明業務で得た患者情報は記録に残し,輸血専従技師間で共有することで患者個人に合わせた対応が可能となった.また,現場に出向くことで看護師との連携を強化できた.今後は,輸血に不慣れな診療科においてより安全な輸血療法の提供に貢献するため,輸血専従技師の余力を確保したうえで,対象診療科拡大を目指したい. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.70.614 |