壊血病により非外傷性硬膜外血腫に至った1例

壊血病はVit.C欠乏により易出血性を呈する疾患であるが,先進国では食料事情の改善でほとんど認められなくなった.症例は4歳女児,下肢の疼痛症状で歩行困難となり骨髄炎や歯肉腫脹を来していた.頭痛が出現し外傷歴のない硬膜外血腫を指摘され手術を施行した.入院経過中に極度の偏食であることが判明し,Vit.C欠乏が示唆され壊血病の診断に至った.Vit.Cの補充により急速に症状は改善し良好な転帰を得た.本疾患は多彩な症状を呈し診断困難な場合があるが,偏食などの病歴を把握し診断・治療へつなげることが重要である....

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Published in小児の脳神経 Vol. 47; no. 3; pp. 309 - 313
Main Authors 長倉, 正宗, 加藤, 美穂子, 滝戸, 悠平, 齋藤, 竜太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2022
日本小児神経外科学会
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.47.3_309

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Summary:壊血病はVit.C欠乏により易出血性を呈する疾患であるが,先進国では食料事情の改善でほとんど認められなくなった.症例は4歳女児,下肢の疼痛症状で歩行困難となり骨髄炎や歯肉腫脹を来していた.頭痛が出現し外傷歴のない硬膜外血腫を指摘され手術を施行した.入院経過中に極度の偏食であることが判明し,Vit.C欠乏が示唆され壊血病の診断に至った.Vit.Cの補充により急速に症状は改善し良好な転帰を得た.本疾患は多彩な症状を呈し診断困難な場合があるが,偏食などの病歴を把握し診断・治療へつなげることが重要である.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.47.3_309