再生処理能力と再生樹脂利用の制約に基づくペットボトル循環利用シナリオの提案

中国の固体廃棄物輸入規制の影響で,これまで一部を輸出に依存してきた日本の使用済ペットボトルのリサイクルシステムは再検討が求められている。その設計にあたっては,回収量や再生処理能力に加え,再生樹脂の受入可能量も制約となるため,ポリエチレンテレフタレート (PET) 樹脂を原料とした製品の物質フロー全体に基づいた議論が欠かせない。本稿では,リサイクルシステムを検討する上でのシナリオ設計の枠組みを構築し,国内で回収される使用済ペットボトルを対象として適用した。まず,国内のPET樹脂製品の物質フロー分析をもとに,再生PET樹脂の用途ごとの受入可能量を推計した。さらに,再生樹脂利用に関するヒアリングおよ...

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Published in廃棄物資源循環学会論文誌 Vol. 30; pp. 80 - 94
Main Authors 中谷, 隼, 河合, 萌子, 栗栖, 聖, 森口, 祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2019
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.30.80

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Summary:中国の固体廃棄物輸入規制の影響で,これまで一部を輸出に依存してきた日本の使用済ペットボトルのリサイクルシステムは再検討が求められている。その設計にあたっては,回収量や再生処理能力に加え,再生樹脂の受入可能量も制約となるため,ポリエチレンテレフタレート (PET) 樹脂を原料とした製品の物質フロー全体に基づいた議論が欠かせない。本稿では,リサイクルシステムを検討する上でのシナリオ設計の枠組みを構築し,国内で回収される使用済ペットボトルを対象として適用した。まず,国内のPET樹脂製品の物質フロー分析をもとに,再生PET樹脂の用途ごとの受入可能量を推計した。さらに,再生樹脂利用に関するヒアリングおよび文献調査から,回収ルートおよび再生処理技術ごとに,再生樹脂の利用先における受入可否を調査および整理した。これらの再生樹脂の量的および質的な制約のもとで,国内処理を前提とした循環利用シナリオを提案した。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.30.80