舌下腺に生じた低悪性度粘表皮癌の1例
粘表皮癌は,小唾液腺や耳下腺に好発し,舌下腺に発生することはまれである。本腫瘍は,臨床所見に乏しく,早期の病理組織学的診断による治療方針の決定が重要である。今回われわれは舌下腺に生じた低悪性度粘表皮癌の1例を経験したので報告する。患者は47歳,男性,右側口底部の腫脹を主訴に当科を受診した。右側舌下腺部に弾性硬の無痛性腫瘤を認めた。CTおよびMRIにて右側舌下腺相当部に周囲と境界明瞭な類円形病変を認めた。生検にて低悪性度粘表皮癌との病理組織学的診断を得た後,悪性腫瘍切除術を施行した。病理組織学的検査では舌下腺内に類表皮細胞,中間細胞および粘液細胞が充実性に増殖する腫瘍組織を認めた。術後1年9か月...
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          | Published in | 日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 27; no. 4; pp. 141 - 148 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
    
        15.12.2015
     日本口腔腫瘍学会  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0915-5988 1884-4995  | 
| DOI | 10.5843/jsot.27.141 | 
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| Summary: | 粘表皮癌は,小唾液腺や耳下腺に好発し,舌下腺に発生することはまれである。本腫瘍は,臨床所見に乏しく,早期の病理組織学的診断による治療方針の決定が重要である。今回われわれは舌下腺に生じた低悪性度粘表皮癌の1例を経験したので報告する。患者は47歳,男性,右側口底部の腫脹を主訴に当科を受診した。右側舌下腺部に弾性硬の無痛性腫瘤を認めた。CTおよびMRIにて右側舌下腺相当部に周囲と境界明瞭な類円形病変を認めた。生検にて低悪性度粘表皮癌との病理組織学的診断を得た後,悪性腫瘍切除術を施行した。病理組織学的検査では舌下腺内に類表皮細胞,中間細胞および粘液細胞が充実性に増殖する腫瘍組織を認めた。術後1年9か月経過した現在まで再発の徴候を認めず経過良好である。 | 
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| ISSN: | 0915-5988 1884-4995  | 
| DOI: | 10.5843/jsot.27.141 |