髄芽腫の治療後16年目に晩発性放射線壊死を来した1例

今回我々は小児期に髄芽腫の治療を行い16年間再発なく経過した後に小脳に晩発性放射線壊死を認めた症例を経験したため報告する.症例は24歳男性.8歳時に小脳髄芽腫に対して放射線治療を施行された既往があった.失調の精査目的にてMRIを実施したところ,右中小脳脚に造影T1像にて造影される約1 cm大の新規病変を認めた.診断確定目的にて開頭生検術を施行し,病理組織学的な検討の結果放射線壊死と診断した.髄芽腫の治療後長期間が経過した後に新規の病変が出現した場合,放射線壊死も鑑別診断に挙げる必要がある....

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Published in小児の脳神経 Vol. 46; no. 3; pp. 262 - 265
Main Authors 淺井, 昭雄, 宮田, 真友子, 埜中, 正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児神経外科学会 2021
日本小児神経外科学会
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ISSN0387-8023
2435-824X
DOI10.34544/jspn.46.3_262

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Summary:今回我々は小児期に髄芽腫の治療を行い16年間再発なく経過した後に小脳に晩発性放射線壊死を認めた症例を経験したため報告する.症例は24歳男性.8歳時に小脳髄芽腫に対して放射線治療を施行された既往があった.失調の精査目的にてMRIを実施したところ,右中小脳脚に造影T1像にて造影される約1 cm大の新規病変を認めた.診断確定目的にて開頭生検術を施行し,病理組織学的な検討の結果放射線壊死と診断した.髄芽腫の治療後長期間が経過した後に新規の病変が出現した場合,放射線壊死も鑑別診断に挙げる必要がある.
ISSN:0387-8023
2435-824X
DOI:10.34544/jspn.46.3_262