気管支の圧排性狭窄を認めた肺原発顆粒細胞腫の1切除例
背景.顆粒細胞腫のうち肺が原発巣となるのは稀である.症例.41歳,女性.健診で胸部異常陰影を指摘され当科を受診した.胸部CTで左肺S3に16 mm大で造影効果のない類円形の充実性結節を認めた.気管支鏡検査では,左肺B3気管支入口部に壁外から圧排性に突出する腫瘤を認めたが,上皮の異常はなかった.診断的治療を目的に胸腔鏡下左肺上大区域切除術を施行した.病理診断では,腫瘍細胞は異型の弱い中型類円形核と好酸性顆粒状の豊富な細胞質を持ち,免疫染色でS-100蛋白(+),CD56(+)であり顆粒細胞腫と診断した.気管支腔内に入り込むように見えた部分の気管支上皮は,腔内側に圧排されるものの保たれていた.結論...
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Published in | 気管支学 Vol. 47; no. 1; pp. 22 - 26 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
25.01.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0287-2137 2186-0149 |
DOI | 10.18907/jjsre.47.1_22 |
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Summary: | 背景.顆粒細胞腫のうち肺が原発巣となるのは稀である.症例.41歳,女性.健診で胸部異常陰影を指摘され当科を受診した.胸部CTで左肺S3に16 mm大で造影効果のない類円形の充実性結節を認めた.気管支鏡検査では,左肺B3気管支入口部に壁外から圧排性に突出する腫瘤を認めたが,上皮の異常はなかった.診断的治療を目的に胸腔鏡下左肺上大区域切除術を施行した.病理診断では,腫瘍細胞は異型の弱い中型類円形核と好酸性顆粒状の豊富な細胞質を持ち,免疫染色でS-100蛋白(+),CD56(+)であり顆粒細胞腫と診断した.気管支腔内に入り込むように見えた部分の気管支上皮は,腔内側に圧排されるものの保たれていた.結論.気管支の圧排性狭窄を伴う顆粒細胞腫の1例を経験した.呼吸器系領域における顆粒細胞腫は稀であり,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 2186-0149 |
DOI: | 10.18907/jjsre.47.1_22 |