全自動解析装置を用いた骨格性下顎前突症患者における咀嚼能力と顎顔面形態との関連

「緒言」 近年, 咀嚼が心と体の健康維持に大きく関わることが認知され始めたことで, 咀嚼障害を主訴として矯正歯科へ来院する患者が増加傾向にある. しかし, 矯正歯科治療における診断や治療効果の判定に咀嚼機能評価が活用されることは少ないのが現状である. その理由として, これまで一般的に咀嚼能力評価として使用されてきたピーナッツや生米などを用いた方法は, 被験食が規格化されていないことに加え, 計測処理が煩雑で長時間を要し, 測定誤差も大きいことから臨床での使用に適していなかったことが挙げられる. したがって, 測定誤差の大きな要因の一つである被験食の処理について, 処理前の規格化と人為的な誤差...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 29; no. 3; pp. 237 - 246
Main Authors 深町, 直哉, 栗原, 加奈子, 坂上, 馨, 阿部, 遼, 小野, 高裕, 齋藤, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2019
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.29.237

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Summary:「緒言」 近年, 咀嚼が心と体の健康維持に大きく関わることが認知され始めたことで, 咀嚼障害を主訴として矯正歯科へ来院する患者が増加傾向にある. しかし, 矯正歯科治療における診断や治療効果の判定に咀嚼機能評価が活用されることは少ないのが現状である. その理由として, これまで一般的に咀嚼能力評価として使用されてきたピーナッツや生米などを用いた方法は, 被験食が規格化されていないことに加え, 計測処理が煩雑で長時間を要し, 測定誤差も大きいことから臨床での使用に適していなかったことが挙げられる. したがって, 測定誤差の大きな要因の一つである被験食の処理について, 処理前の規格化と人為的な誤差の入る可能性を減らすことが課題であった. 2010年にNokubiらが全自動咀嚼能力測定装置を開発したことで, 短時間でかつ正確な咀嚼機能の測定が可能となったが, 不正咬合者を対象に全自動咀嚼能力測定装置を活用した報告はなく, 歯科矯正学領域においては未だ十分に活用されていない.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.29.237