ローラーポンプによる体外循環がvon Willebrand factorおよび血小板凝集能に及ぼす影響
ローラーポンプによる体外循環が血中vWFおよび血小板数、血小板凝集能に及ぼす影響について検討した。模擬体外循環回路(充填液量100mL)を未分画ヘパリン化全血で充填し、血液流量1.0L/minで30分間循環させた。血液検体の採取は循環開始前、循環開始後5、10、20、30分の5ポイントで行い、全てのポイントにおいてvWF活性、血小板数、血小板凝集能を測定した。vWF活性はいずれのポイントにおいても循環開始前と比較して有意差を認めなかった(p=0.588)。血小板数は循環開始30分後に有意に減少した(p<0.05)。血小板凝集能は循環開始10分後に有意に低下し、その後も低値を維持した(p<0.0...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 50; no. 1; pp. 26 - 29 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2023
日本体外循環技術医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/jject.50.26 |
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Summary: | ローラーポンプによる体外循環が血中vWFおよび血小板数、血小板凝集能に及ぼす影響について検討した。模擬体外循環回路(充填液量100mL)を未分画ヘパリン化全血で充填し、血液流量1.0L/minで30分間循環させた。血液検体の採取は循環開始前、循環開始後5、10、20、30分の5ポイントで行い、全てのポイントにおいてvWF活性、血小板数、血小板凝集能を測定した。vWF活性はいずれのポイントにおいても循環開始前と比較して有意差を認めなかった(p=0.588)。血小板数は循環開始30分後に有意に減少した(p<0.05)。血小板凝集能は循環開始10分後に有意に低下し、その後も低値を維持した(p<0.001)。軸流ポンプや遠心ポンプが発生する高いshear stressと比較して、ローラーポンプが発する程度の低いshear stressは血小板数の減少と凝集能の低下をもたらすものの、vWF活性には影響しない可能性が示された。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/jject.50.26 |