認知症の診断と治療 ―Alzheimer病を中心に

「はじめに」わが国の高齢化のスピードは世界でもまれにみるスピードで進行している. 認知症の患者数は2012年に約462万人, 2025年に約675万人, 2050年には1000万人を上回ると推定されている. 筆者らは石川県七尾市中島町において認知症の疫学研究を継続している(なかじまプロジェクト). 中島町で行った認知機能の全数調査の結果(2016~2018年), 65歳以上の住民の17.5%が認知症, 20.0%が軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)であった. 年齢階層ごとでは, 5歳年齢が上がると認知症の有病率は倍増し, 認知症とMCIとを合わせると8...

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Published in神経治療学 Vol. 41; no. 4; pp. 473 - 477
Main Author 小野, 賢二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2024
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.41.4_473

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Summary:「はじめに」わが国の高齢化のスピードは世界でもまれにみるスピードで進行している. 認知症の患者数は2012年に約462万人, 2025年に約675万人, 2050年には1000万人を上回ると推定されている. 筆者らは石川県七尾市中島町において認知症の疫学研究を継続している(なかじまプロジェクト). 中島町で行った認知機能の全数調査の結果(2016~2018年), 65歳以上の住民の17.5%が認知症, 20.0%が軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)であった. 年齢階層ごとでは, 5歳年齢が上がると認知症の有病率は倍増し, 認知症とMCIとを合わせると80歳代後半では住民の70%以上, 90歳以上では85%以上に達する. 認知症の内訳では, Alzheimer病(Alzheimer disease: AD)が69.6%と最も頻度が高く, 以下, 血管性認知症12.9%, Lewy小体型認知症6.8%となっていた.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.41.4_473