消化器外科におけるチーム医療による実践的手術侵襲軽減策とアウトカム

ERAS の手術侵襲軽減策は,多職種のスタッフによる介入が不可欠である.入院前の不安要素は患者個々に異なり,消化器外科では,術後の食事摂取,人工肛門に対する不安は多い.各医療スタッフの専門的立場の助言が治療意欲を向上させる.術後の腸管機能の回復促進対策としては,輸液量の適正化,胸部硬膜外鎮痛,早期経口摂取,早期離床などチームで取り込む事項が多い.早期離床では,プログラム内容や行動目標を定め施行することが望ましい.疼痛管理としては,急性痛サービスAPS を組織することが,安心な周術期環境を効率的に提供し,今後わが国でも普及することが望まれる.回復を実感する環境づくりは,重要であり,チームメンバー...

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Published in外科と代謝・栄養 Vol. 52; no. 2; pp. 71 - 77
Main Authors 成田, 吉明, 篠原, 良仁, 伊橋, 卓文, 木ノ下, 義宏, 藤井, 正和, 中村, 文隆, 西, 智史, 武内, 慎太郎, 七里, 圭子, 今村, 清隆, 樫村, 暢一, 田本, 英司, 渡邊, 祐介, 高田, 実, 横山, 新一郎, 加藤, 健太郎, 安保, 義恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本外科代謝栄養学会 2018
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ISSN0389-5564
2187-5154
DOI10.11638/jssmn.52.2_71

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Summary:ERAS の手術侵襲軽減策は,多職種のスタッフによる介入が不可欠である.入院前の不安要素は患者個々に異なり,消化器外科では,術後の食事摂取,人工肛門に対する不安は多い.各医療スタッフの専門的立場の助言が治療意欲を向上させる.術後の腸管機能の回復促進対策としては,輸液量の適正化,胸部硬膜外鎮痛,早期経口摂取,早期離床などチームで取り込む事項が多い.早期離床では,プログラム内容や行動目標を定め施行することが望ましい.疼痛管理としては,急性痛サービスAPS を組織することが,安心な周術期環境を効率的に提供し,今後わが国でも普及することが望まれる.回復を実感する環境づくりは,重要であり,チームメンバーは,各専門的な知識や技術を生かし患者のセルフケアーを支援することで,早期回復の実感と不安の解消につながり,満足度の高い退院につながる.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.52.2_71