Stroke Unitの現状と課題:急性期脳卒中診療体制に関する全国アンケート調査から

脳卒中の初期治療をstroke unit(SU)で行うことの有用性は, メタ解析を含めて確認された事実であり1)~3), わが国の「脳卒中治療ガイドライン2004」でも, グレードA(行うよう強く求められる)に位置づけられている4). しかし, 検証された臨床研究のほとんどは欧州で行われたものであり, 医療体制の異なるわが国において, どのようなSCU, SUを運営すれば同様の効果(転帰のみならず, 医療費軽減効果も含む)が期待できるのかについて考察可能な資料は皆無に等しい. すでにわが国でも各地にSUあるいはStroke Care Unit(SCU)をうたう施設が増加しつつあるものの, コン...

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Published in脳卒中 Vol. 28; no. 4; pp. 545 - 549
Main Authors 畑, 隆志, 豊田, 章宏, 岡田, 靖, 安井, 信之, 峰松, 一夫, 豊田, 百合子, 成冨, 博章, 長谷川, 泰弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2006
日本脳卒中学会
Subjects
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.28.545

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Summary:脳卒中の初期治療をstroke unit(SU)で行うことの有用性は, メタ解析を含めて確認された事実であり1)~3), わが国の「脳卒中治療ガイドライン2004」でも, グレードA(行うよう強く求められる)に位置づけられている4). しかし, 検証された臨床研究のほとんどは欧州で行われたものであり, 医療体制の異なるわが国において, どのようなSCU, SUを運営すれば同様の効果(転帰のみならず, 医療費軽減効果も含む)が期待できるのかについて考察可能な資料は皆無に等しい. すでにわが国でも各地にSUあるいはStroke Care Unit(SCU)をうたう施設が増加しつつあるものの, コンセンサスを得たSU, SCUの定義は存在せず, 提供されている医療の質を評価する方法も一切確立されていない. このような現状を踏まえ, 「わが国におけるStroke unitの有効性に関する多施設共同前向き研究」班(主任研究者:峰松一夫)が厚生労働科学研究費の補助を受けて組織された. 研究班の目的は, 多施設共同前向き研究を行い, わが国のエビデンスに基づくSUの定義, 具備すべき条件を明らかにし, SUにより提供される医療の質を評価可能なものとすることにあり, 現在その解析作業に入っている.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.28.545