内視鏡検診における発見胃癌の変遷と現況

【背景】近年Helicobacter pylori感染者が減少している中で,内視鏡検診における発見胃癌の変遷と現況を明らかにすることを目的とした.【方法】2008年から2022年までに内視鏡検診を受診したのべ159,995例を対象とした.2008年から2012年をA群,2013年から2017年をB群,2018年から2022年をC群とし,胃癌の発見頻度と臨床病理学的特徴を比較検討した.【結果】胃癌発見率はA群0.23%(86/36,893例),B群0.18%(100/54,481例),C群0.13%(90/68,621例)であった.H. pylori感染状態については現感染がA群44%からC群8...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 104; no. 1; pp. 28 - 34
Main Authors 布袋屋, 修, 荒木, 昭博, 小川, 恭子, 菊池, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 21.06.2024
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.104.1_28

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Summary:【背景】近年Helicobacter pylori感染者が減少している中で,内視鏡検診における発見胃癌の変遷と現況を明らかにすることを目的とした.【方法】2008年から2022年までに内視鏡検診を受診したのべ159,995例を対象とした.2008年から2012年をA群,2013年から2017年をB群,2018年から2022年をC群とし,胃癌の発見頻度と臨床病理学的特徴を比較検討した.【結果】胃癌発見率はA群0.23%(86/36,893例),B群0.18%(100/54,481例),C群0.13%(90/68,621例)であった.H. pylori感染状態については現感染がA群44%からC群8%と減少し,未感染がA群5%からC群30%と増加していた.背景胃粘膜は高度萎縮例がA群31%からC群10%と減少し,ほとんど萎縮のない例がA群5%からC群34%と増加していた.H. pylori未感染癌では印環細胞癌の割合がA群75%からB群38%C群15%と減少し,A群ではみられなかった腺窩上皮型腺癌がB群13%,C群56%と増加していた.内視鏡切除割合はA群64%からC群82%と増加していた.【結語】胃癌発見率は徐々に低下していた.相対的にH. pylori陰性癌,特にH. pylori未感染癌の割合が増加していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.104.1_28