顔面非対称に対するナビゲーション手術と二次的顎矯正手術を行った下顎線維性異形成症の1例

「緒言」線維性異形成症(Fibrous dysplasia:FD)は未熟な骨組織と線維性結合組織によって正常な骨組織が置換される非腫瘍性の骨病変である. 好発部位は脛骨・大腿骨とされているが, 顎骨に発症した場合には顎変形症と診断されることもある. 顎骨の膨隆が著しい場合には, 通常の顎矯正手術だけでは良好な顔貌形態が得られないことも多く, 骨の削除術が必要となる. しかし, 口腔内アプローチによる骨削除術は手術難易度が高く, 十分な骨削除が行えないことも多い. 今回われわれは, 下顎FDによる顔面非対称と片側性鋏状咬合に対して, 口内法によるナビゲーションガイド下骨削除術後に下顎臼歯部歯槽骨...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 28; no. 4; pp. 276 - 285
Main Authors 小野, 卓史, 高須, 曜, 藤内, 祝, 岩井, 俊憲, 本田, 康二, 藤田, 紘一, 渋谷, 直樹, 大村, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2018
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.28.276

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Summary:「緒言」線維性異形成症(Fibrous dysplasia:FD)は未熟な骨組織と線維性結合組織によって正常な骨組織が置換される非腫瘍性の骨病変である. 好発部位は脛骨・大腿骨とされているが, 顎骨に発症した場合には顎変形症と診断されることもある. 顎骨の膨隆が著しい場合には, 通常の顎矯正手術だけでは良好な顔貌形態が得られないことも多く, 骨の削除術が必要となる. しかし, 口腔内アプローチによる骨削除術は手術難易度が高く, 十分な骨削除が行えないことも多い. 今回われわれは, 下顎FDによる顔面非対称と片側性鋏状咬合に対して, 口内法によるナビゲーションガイド下骨削除術後に下顎臼歯部歯槽骨切り術とLe Fort I型骨切り術併用上顎歯槽骨切り術を施行することで良好な結果が得られたので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.28.276