大腸内視鏡ポリペクトミー後遅発性出血における緊急止血術の予測因子
【背景】遅発性ポリペクトミー後出血(delayed post-polypectomy bleeding:DPPB)は大腸内視鏡ポリペクトミーの偶発症の一つであり,緊急内視鏡的止血術を含む迅速な対応を要する.しかし,DPPBを呈した症例の中で,どのような症例が緊急内視鏡的止血術となるかは明らかではない.本研究はDPPB症例において緊急内視鏡的止血術と関連する因子を特定することを目的とした.【方法】本研究はとよしま内視鏡クリニック単施設で行われた後向き・症例対象研究である.DPPBを呈した症例を緊急内視鏡的止血術を受けた群と経過観察された群に分け,年齢,性別,切除したポリープの数・径(総計・最大)...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 103; no. 1; pp. 24 - 28 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
22.12.2023
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.103.1_24 |
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| Summary: | 【背景】遅発性ポリペクトミー後出血(delayed post-polypectomy bleeding:DPPB)は大腸内視鏡ポリペクトミーの偶発症の一つであり,緊急内視鏡的止血術を含む迅速な対応を要する.しかし,DPPBを呈した症例の中で,どのような症例が緊急内視鏡的止血術となるかは明らかではない.本研究はDPPB症例において緊急内視鏡的止血術と関連する因子を特定することを目的とした.【方法】本研究はとよしま内視鏡クリニック単施設で行われた後向き・症例対象研究である.DPPBを呈した症例を緊急内視鏡的止血術を受けた群と経過観察された群に分け,年齢,性別,切除したポリープの数・径(総計・最大)・形態,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)の有無,クリッピングの有無について,二項ロジスティクス回帰モデルを用い比較した.【結果】期間内にポリペクトミーを受けた14,008例のうち52例(平均54.1歳,男性53.8%)がDPPBと診断された.止血群は38例,経過観察群は14例であった.止血群は男性が多く(63.2% vs. 28.6%),ポリペクトミー径総計(16.6 mm vs. 11.3 mm)と最大(9.9 mm vs. 6.7 mm)が大きく,形態が0-I型を含むことが多く(94.7% vs. 50.0%),EMR施行例が多かった(63.2% vs. 14.3%).【結論】DPPB症例では男性,大きいポリペクトミー径,0-I型ポリペクトミー,EMR施行例は止血術にいたる可能性が高いことを念頭に診察するとよい.今後は前向き試験が望まれる. |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.103.1_24 |