巨大腸腰筋膿瘍の1例

腸腰筋膿瘍は比較的まれな疾患とされていたが,最近では画像診断の発達に伴って報告数が増えてきている。しかし,そのなかでも巨大腸腰筋膿瘍として報告されているものは少ない。今回われわれは最大膿瘍径11×10cm,右大腰筋起始部から右大腿四頭筋近位部にかけて上下方向に約50cm広がるきわめて大きな多房性の腸腰筋膿瘍を経験した。CTガイド下で経皮的ドレナージを試みたが,カテーテル先端が隔壁にあたりドレナージ困難であったため,外科的に切開排膿術を施行して治療し得た。MRIでは腸腰筋近傍に直接的に炎症を及ぼす所見を認めず,原発性腸腰筋膿瘍と診断した。感染の原因としては,コントロール不良の糖尿病,アルコール多...

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Published in日本臨床救急医学会雑誌 Vol. 19; no. 5; pp. 691 - 694
Main Authors 鈴木, 博之, 木田, 将量, 長谷, 亘, 菊池, 英豪, 金井, 信恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床救急医学会 01.10.2016
日本臨床救急医学会
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ISSN1345-0581
2187-9001
DOI10.11240/jsem.19.691

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Summary:腸腰筋膿瘍は比較的まれな疾患とされていたが,最近では画像診断の発達に伴って報告数が増えてきている。しかし,そのなかでも巨大腸腰筋膿瘍として報告されているものは少ない。今回われわれは最大膿瘍径11×10cm,右大腰筋起始部から右大腿四頭筋近位部にかけて上下方向に約50cm広がるきわめて大きな多房性の腸腰筋膿瘍を経験した。CTガイド下で経皮的ドレナージを試みたが,カテーテル先端が隔壁にあたりドレナージ困難であったため,外科的に切開排膿術を施行して治療し得た。MRIでは腸腰筋近傍に直接的に炎症を及ぼす所見を認めず,原発性腸腰筋膿瘍と診断した。感染の原因としては,コントロール不良の糖尿病,アルコール多飲や低栄養が考えられた。
ISSN:1345-0581
2187-9001
DOI:10.11240/jsem.19.691