中咽頭側壁扁平上皮癌の予後を左右する因子の解析
癌研究会附属病院頭頸科において, 過去20年間に治療した中咽頭側壁型扁平上皮癌79例の臨床像, 病理像, 治療法, 生存率の見直しを行い, 予後を左右する因子について検討した. 病期分類では, T4, N2b以上, Stage IVの治療成績は有意に不良であった. 年齢, 腫瘍の進展範囲, 肉眼的性状, 病理学的分化度は, 多変量解析の結果, 有意な予後因子とは証明されなかった. 放射線感受性の違いも生存率に影響しなかった. Stage IIIに対して手術を行った群の生存率は, 根治照射を行った群よりも有意に良かったか, その最大の要因は原発巣制御率の違いであった. 特にT3症例に対しては手術...
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| Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 99; no. 9; pp. 1190 - 1199,1235 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.09.1996
日本耳鼻咽喉科学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
| DOI | 10.3950/jibiinkoka.99.1190 |
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| Summary: | 癌研究会附属病院頭頸科において, 過去20年間に治療した中咽頭側壁型扁平上皮癌79例の臨床像, 病理像, 治療法, 生存率の見直しを行い, 予後を左右する因子について検討した. 病期分類では, T4, N2b以上, Stage IVの治療成績は有意に不良であった. 年齢, 腫瘍の進展範囲, 肉眼的性状, 病理学的分化度は, 多変量解析の結果, 有意な予後因子とは証明されなかった. 放射線感受性の違いも生存率に影響しなかった. Stage IIIに対して手術を行った群の生存率は, 根治照射を行った群よりも有意に良かったか, その最大の要因は原発巣制御率の違いであった. 特にT3症例に対しては手術が望ましいことが示唆された. |
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| ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
| DOI: | 10.3950/jibiinkoka.99.1190 |