エリスロマイシン療法施行症例における副鼻腔粘膜の病理組織学的検討
1) EM療法を施行した難治性慢性副鼻腔炎症例21例の,鼻茸及び前篩骨洞粘膜を病理組織学的に調べ,その有効性と比較検討した. 2) EM療法の有効な症例では線毛上皮直下の浸潤細胞はリンパ球が優位であった. 3) 好酸球優位の症例では,EM療法の有効性が有意に低かった. 4) 上皮下や上皮内に好中球が多く出現している症例では,EM療法が有効である場合が多かった. 5) EM療法有効例では投与後に炎症細胞の減少,浮腫の減少,線維化の増強,分泌腺組織の正常化が見られた....
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 97; no. 6; pp. 1070 - 1078 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
1994
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.97.1070 |
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Summary: | 1) EM療法を施行した難治性慢性副鼻腔炎症例21例の,鼻茸及び前篩骨洞粘膜を病理組織学的に調べ,その有効性と比較検討した. 2) EM療法の有効な症例では線毛上皮直下の浸潤細胞はリンパ球が優位であった. 3) 好酸球優位の症例では,EM療法の有効性が有意に低かった. 4) 上皮下や上皮内に好中球が多く出現している症例では,EM療法が有効である場合が多かった. 5) EM療法有効例では投与後に炎症細胞の減少,浮腫の減少,線維化の増強,分泌腺組織の正常化が見られた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.97.1070 |