ダブルバルーン内視鏡で診断し得た,先天性胆道拡張症術後肝内結石症の1例

「和文要旨」 症例は36歳女性. 先天性胆道拡張症に対して胆管切除, 胆管空腸吻合(Roux-en-Y再建)を施行している. 術後5年でCT等画像検査にて肝内胆管に腫瘤様陰影をみとめ, 悪性疾患の鑑別を目的にダブルバルーン内視鏡を施行したところ胆管空腸吻合部に結石の嵌頓をみとめ肝内結石症と診断した. ダブルバルーン内視鏡は, これまで困難とされてきた術後再建腸管に対する内視鏡的診断・治療に有用であると考えられる. 「はじめに」これまで術後再建腸管に対する内視鏡的検査・治療は腸管が長くたわみやすいため困難とされてきた. 特にRoux-en-Y再建例に対するERCPは乳頭部への到達が困難で積極的に...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 75; no. 2; pp. 112 - 113
Main Authors 藤井, 俊光, 東, 正新, 土屋, 輝一郎, 荒木, 昭博, 鈴木, 伸治, 大岡, 真也, 長堀, 正和, 岡田, 英理子, 渡辺, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.75.2_112

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Summary:「和文要旨」 症例は36歳女性. 先天性胆道拡張症に対して胆管切除, 胆管空腸吻合(Roux-en-Y再建)を施行している. 術後5年でCT等画像検査にて肝内胆管に腫瘤様陰影をみとめ, 悪性疾患の鑑別を目的にダブルバルーン内視鏡を施行したところ胆管空腸吻合部に結石の嵌頓をみとめ肝内結石症と診断した. ダブルバルーン内視鏡は, これまで困難とされてきた術後再建腸管に対する内視鏡的診断・治療に有用であると考えられる. 「はじめに」これまで術後再建腸管に対する内視鏡的検査・治療は腸管が長くたわみやすいため困難とされてきた. 特にRoux-en-Y再建例に対するERCPは乳頭部への到達が困難で積極的に行われていないのが現状である. 近年ダブルバルーン内視鏡(double―balloone enteroscopy:以下DBE)の開発によりRoux-en-Y再建例に対してもERCPが行われるようになってきている.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.75.2_112