無症候でCovered型Self-Expandable Metallic Stentの完全逸脱と消失を来した一例

「緒言」 悪性胆道狭窄に対してはCovered型Self-Expandable Metallic Stent(SEMS)がUncovered型SEMSよりも開存率が高く, 長期留置に推奨されている. SEMSの逸脱や迷入により時に出血や腸管損傷などの合併症を惹起し得るが, 無症候での逸脱の頻度などは明らかではない. 今回我々は遠位胆管癌疑いの症例に対してCovered型SEMSを留置後に, 無症候で完全逸脱と消失を認めた症例を経験したため報告する. 「症例」 86歳 女性 主訴:黄疸 既往歴:75歳時に総胆管結石に対する内視鏡的採石術, 胆嚢摘出手術. 病歴:皮膚黄染を自覚し近医を受診したとこ...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 98; no. 1; pp. 139 - 141
Main Authors 近藤, まゆ子, 寺元, 研, 須永, 将梧, 久武, 祐太, 岡村, 幸重, 北川, 清宏, 東澤, 俊彦, 野田, まりん
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 25.06.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.98.1_139

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Summary:「緒言」 悪性胆道狭窄に対してはCovered型Self-Expandable Metallic Stent(SEMS)がUncovered型SEMSよりも開存率が高く, 長期留置に推奨されている. SEMSの逸脱や迷入により時に出血や腸管損傷などの合併症を惹起し得るが, 無症候での逸脱の頻度などは明らかではない. 今回我々は遠位胆管癌疑いの症例に対してCovered型SEMSを留置後に, 無症候で完全逸脱と消失を認めた症例を経験したため報告する. 「症例」 86歳 女性 主訴:黄疸 既往歴:75歳時に総胆管結石に対する内視鏡的採石術, 胆嚢摘出手術. 病歴:皮膚黄染を自覚し近医を受診したところ, 血清ビリルビン高値であり精査目的のために当院を紹介受診した. 他に特記するべき臨床症状はない. 臨床経過:当院初診時の血液検査では総ビリルビン9.82mg/dl, 直接ビリルビン7.37mg/dl, AST 67IU/l, ALT 79IU/l, ALP 834IU/l, γ-GTP 351IU/lと肝胆道系酵素の上昇を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.98.1_139