pH 応答性ポリマー修飾リポソームを用いた抗原デリバリーとがん免疫治療への応用
がん免疫治療の達成には,樹状細胞のサイトゾルに抗原を導入し,抗原特異的な細胞性免疫を誘導できるキャリアが必要である。我々はこれまで,線状もしくは多分岐状の3- メチルグルタリル化ポリグリシドール(それぞれMGlu-LPG,MGlu-HPG)を固定化したリポソームによるサイトゾルデリバリーについて検討してきた。本稿では,pH 応答性ポリマーを固定化したリポソームによる抗原のサイトゾルデリバリーと,がん免疫治療への応用について検討を行った。MGlu-LPG もしくはMGlu-HPG 修飾リポソームは,樹状細胞のサイトゾルにモデル抗原オボアルブミン(OVA)を効率良く導入し,MHC クラスI を介し...
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Published in | MHC(日本組織適合性学会誌) Vol. 20; no. 3; pp. 181 - 189 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本組織適合性学会
20.12.2013
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Subjects | |
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ISSN | 2186-9995 2187-4239 |
DOI | 10.12667/mhc.20.181 |
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Summary: | がん免疫治療の達成には,樹状細胞のサイトゾルに抗原を導入し,抗原特異的な細胞性免疫を誘導できるキャリアが必要である。我々はこれまで,線状もしくは多分岐状の3- メチルグルタリル化ポリグリシドール(それぞれMGlu-LPG,MGlu-HPG)を固定化したリポソームによるサイトゾルデリバリーについて検討してきた。本稿では,pH 応答性ポリマーを固定化したリポソームによる抗原のサイトゾルデリバリーと,がん免疫治療への応用について検討を行った。MGlu-LPG もしくはMGlu-HPG 修飾リポソームは,樹状細胞のサイトゾルにモデル抗原オボアルブミン(OVA)を効率良く導入し,MHC クラスI を介した抗原提示を誘導した。これらのリポソームをマウスに皮下投与すると,抗原特異的な細胞性免疫が誘導され,抗原を発現したがん細胞のみが担がんマウスから排除された。したがって,pH 応答性ポリマー修飾リポソームはがん免疫治療のための抗原キャリアとして有用である。 |
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ISSN: | 2186-9995 2187-4239 |
DOI: | 10.12667/mhc.20.181 |