ダイナミックCT及び膵管造影にて慢性膵炎との鑑別が困難であった膵頭部癌の1例

「はじめに」 我々はダイナミックCT及び膵管造影上慢性膵炎との鑑別が極めて困難であった症例を経験した. 本症例は, ERP下ブラッシング細胞診により診断が可能であったが, 各種画像所見を再検討し, 示唆に富む症例と考え報告する. 「症例」 患者:67歳, 男性. 主訴:背部痛. 現病歴:平成13年8月, 背部痛を自覚し, 当院内科を受診した. 腹部超音波検査にて膵頭部に腫瘤を認めたため, 精査加療目的にて9月下旬入院となった. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:ビール大瓶2本/日40年間 入院時現症:意識清明, 血圧119/80mmHg, 脈拍76/分, 体温36.2℃, 眼瞼結...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 61; no. 2; pp. 134 - 135
Main Authors 古川, 俊治, 菅沼, 和弘, 久保田, 哲朗, 橋口, 尚子, 鳥海, 史樹, 大谷, 吉秀, 才川, 義朗, 前田, 真悟, 北郷, 実, 吉田, 昌, 島津, 元秀, 吉水, 信就, 熊井, 浩一郎, 北島, 政樹, 青木, 真彦, 相浦, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2002
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.61.2_134

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Summary:「はじめに」 我々はダイナミックCT及び膵管造影上慢性膵炎との鑑別が極めて困難であった症例を経験した. 本症例は, ERP下ブラッシング細胞診により診断が可能であったが, 各種画像所見を再検討し, 示唆に富む症例と考え報告する. 「症例」 患者:67歳, 男性. 主訴:背部痛. 現病歴:平成13年8月, 背部痛を自覚し, 当院内科を受診した. 腹部超音波検査にて膵頭部に腫瘤を認めたため, 精査加療目的にて9月下旬入院となった. 既往歴, 家族歴:特記すべきことなし. 飲酒歴:ビール大瓶2本/日40年間 入院時現症:意識清明, 血圧119/80mmHg, 脈拍76/分, 体温36.2℃, 眼瞼結膜貧血なし, 眼球結膜黄染あり, 腹部腫瘤触知せず. 入院時血液・生化学所見:TB2.6mg/dl, DB1.8mg/dlと直接型優位の黄疸を認め, 胆道系酵素, Amy, CRPも上昇していた. 腫瘍マーカーでは, CA19-9 80U/ml, DUPAN2 533ng/mlと高値を示していた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.61.2_134