カプセル内視鏡で診断し得た高齢者の出血性Meckel憩室の1例
「はじめに」 Meckel憩室は先天性の消化管奇形で全人口の1~4%の割合で存在し, 合併症の発症は4.2%とされる. 有症状例の72%は20歳以下での発症であり, 高齢者での合併症の発症は稀である. 今回, 高齢者の原因不明消化管出血(OGIB)に対し小腸カプセル内視鏡検査でMeckel憩室を診断した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 79歳, 女性. 主訴 : 血便. 既往歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 慢性腎不全で加療中, 2014年1月に血便を認め, 近医で上部・下部消化管内視鏡検査, 単純CT検査を行ったが出血源は特定できなかった. 第12病日に再度大量の血便を認め...
Saved in:
| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 100 - 101 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.85.1_100 |
Cover
| Summary: | 「はじめに」 Meckel憩室は先天性の消化管奇形で全人口の1~4%の割合で存在し, 合併症の発症は4.2%とされる. 有症状例の72%は20歳以下での発症であり, 高齢者での合併症の発症は稀である. 今回, 高齢者の原因不明消化管出血(OGIB)に対し小腸カプセル内視鏡検査でMeckel憩室を診断した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 79歳, 女性. 主訴 : 血便. 既往歴 : 特記事項なし. 現病歴 : 慢性腎不全で加療中, 2014年1月に血便を認め, 近医で上部・下部消化管内視鏡検査, 単純CT検査を行ったが出血源は特定できなかった. 第12病日に再度大量の血便を認め, 出血性ショックとなり, 当院へ転院となった. 転院時現症 : 身長150cm, 体重55kg, 血圧95/57mmHg, 脈拍120回/分. 意識レベルは清明, 眼瞼結膜は蒼白, 腹部は平坦, 軟で圧痛は認めなかった. 転院時血液検査所見 : Hb 7.5g/dlの貧血と, BUN 33.4mg/dl, Cre 3.78mg/dlの腎障害を認めた. |
|---|---|
| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.85.1_100 |