口腔癌患者への緩和ケアチームの介入に関する臨床的検討

口腔癌患者への緩和ケアチーム(PCT)の介入についての臨床的検討を行った。対象は2008年1月から2012年10月に神戸大学病院歯科口腔外科で加療を行った口腔癌患者194例のうち,PCTの介入を行った36例である。依頼理由は,疼痛,不眠,不安が多く71.1%を占めていた。介入開始時および終了時に,患者の有する症状についてSTAS-J症状版を用いて評価した。22項目中21項目で改善を認め,13項目で有意なスコアの低下を認めた。よって,PCTの介入は有用であったことが示された。口腔癌患者特有の問題として,容姿の変形,摂食嚥下障害,構音障害などが挙げられる。PCTと連携し,治療過程の早期から患者の持...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 13 - 20
Main Authors 米澤, 奈津季, 榊原, 晶子, 南川, 勉, 高橋, 佑輔, 渋谷, 恭之, 古森, 孝英, 長谷川, 巧実, 重田, 崇至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.06.2015
日本口腔腫瘍学会
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.27.13

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Summary:口腔癌患者への緩和ケアチーム(PCT)の介入についての臨床的検討を行った。対象は2008年1月から2012年10月に神戸大学病院歯科口腔外科で加療を行った口腔癌患者194例のうち,PCTの介入を行った36例である。依頼理由は,疼痛,不眠,不安が多く71.1%を占めていた。介入開始時および終了時に,患者の有する症状についてSTAS-J症状版を用いて評価した。22項目中21項目で改善を認め,13項目で有意なスコアの低下を認めた。よって,PCTの介入は有用であったことが示された。口腔癌患者特有の問題として,容姿の変形,摂食嚥下障害,構音障害などが挙げられる。PCTと連携し,治療過程の早期から患者の持つ様々な症状の緩和に努めることが重要である。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.27.13