免疫染色を併用した腹水細胞診が有用であった4型大腸癌の1剖検例
「はじめに」4型(びまん浸潤型)大腸癌は稀な疾患であり, 生検による検出率が低いことから, 診断に難渋することがある. 今回, 免疫染色を併用した腹水細胞診が診断に有用であった4型大腸癌の1剖検例を経験した. 文献的考察を含め報告する. 「症例」患者:83歳, 男性. 主訴:左下腹部痛. 既往歴:突発性難聴. 現病歴:約1カ月間続く左下腹部痛を主訴に近医を受診し, 精査目的で当院を紹介受診した. 腹部超音波検査で異常を認めたため, 入院となった. 初診時現症:左下腹部に圧痛を認める. 腹膜刺激症状なし. 明らかな腫瘤は触知しない. 初診時血液検査所見:Hb 13.1g/dLと貧血は認めなかった...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 90; no. 1; pp. 136 - 137 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
09.06.2017
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.90.1_136 |
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Summary: | 「はじめに」4型(びまん浸潤型)大腸癌は稀な疾患であり, 生検による検出率が低いことから, 診断に難渋することがある. 今回, 免疫染色を併用した腹水細胞診が診断に有用であった4型大腸癌の1剖検例を経験した. 文献的考察を含め報告する. 「症例」患者:83歳, 男性. 主訴:左下腹部痛. 既往歴:突発性難聴. 現病歴:約1カ月間続く左下腹部痛を主訴に近医を受診し, 精査目的で当院を紹介受診した. 腹部超音波検査で異常を認めたため, 入院となった. 初診時現症:左下腹部に圧痛を認める. 腹膜刺激症状なし. 明らかな腫瘤は触知しない. 初診時血液検査所見:Hb 13.1g/dLと貧血は認めなかった. Cre 1.36mg/dLの腎機能障害, CRPは0.4mg/dLと軽度の上昇あり. CEA, CA19-9は正常範囲であった. 腹部超音波検査:左水腎症, 下行~S状結腸壁肥厚, 少量の腹水あり. 大腸内視鏡検査:S状結腸に高度の浮腫・肥厚を伴う全周性狭窄を認めた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.90.1_136 |