十二指腸潰瘍に対する上部消化管内視鏡処置中に空気塞栓を生じた1剖検例

「症例」患者:61歳, 男性. 主訴:吐血, 意識障害. 現病歴:ふらつき, 見当識障害にて前医入院翌日に吐血し, 当院転院となった. 既往歴:健診時に肝機能障害, 貧血, 糖尿病を指摘. 生活歴:習慣的な大量飲酒あり. 入院時身体所見:意識障害, 血圧低下と頻脈を認めた. 結膜には貧血と黄染があり, 呼吸音が左肺で減弱. 腹部は軽度の膨隆の他に異常なし. 入院時検査所見:WBCとCRPの軽度上昇, Hb5.4の正球性貧血. Plt, PT-%, Albの低下, T-bil, γGTPの上昇, およびアンモニアの上昇がみられた. 入院時の胸腹部CTで左肺の気胸があり, 肝周囲の腹水貯留, 肝の...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 78; no. 2; pp. 106 - 107
Main Authors 藤木, 和彦, 古本, 洋平, 堀内, 亮郎, 佐崎, なほ子, 梅北, 信孝, 大島, 敬, 浅野, 徹, 日比谷, 秀爾, 村山, 巌一, 蕨, 雅大, 鈴木, 伸治, 宮本, 勇治, 岡林, 美紗子, 忠願寺, 義通, 谷沢, 徹, 渡辺, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.78.2_106

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Summary:「症例」患者:61歳, 男性. 主訴:吐血, 意識障害. 現病歴:ふらつき, 見当識障害にて前医入院翌日に吐血し, 当院転院となった. 既往歴:健診時に肝機能障害, 貧血, 糖尿病を指摘. 生活歴:習慣的な大量飲酒あり. 入院時身体所見:意識障害, 血圧低下と頻脈を認めた. 結膜には貧血と黄染があり, 呼吸音が左肺で減弱. 腹部は軽度の膨隆の他に異常なし. 入院時検査所見:WBCとCRPの軽度上昇, Hb5.4の正球性貧血. Plt, PT-%, Albの低下, T-bil, γGTPの上昇, およびアンモニアの上昇がみられた. 入院時の胸腹部CTで左肺の気胸があり, 肝周囲の腹水貯留, 肝の萎縮, 表面の不整と辺縁の鈍化, 脾腫がみられ, 肝硬変の所見であった. 入院時の上部内視鏡検査で十二指腸球部後壁に露出血管を伴うstageA1の巨大な潰瘍を認めた(Color 1)が活動性出血はなく, 意識状態, 全身状態不良のため処置はせず, 終了した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.78.2_106