典型的な経過を辿ったcollagenous colitisの1例

「はじめに」 Collagenous colitisは水様性下痢を主徴とし, 内視鏡所見はほぼ正常であるが, 病理組織学的に大腸被蓋上皮下に肥厚したcollagen bandの沈着と炎症細胞浸潤を伴う腸疾患として, 1976年にLindstromによって報告された疾患である1). 本邦では, 微細顆粒状粘膜, 血管網の増生, 線状粘膜欠損の軽微な内視鏡所見を呈し, その発症に薬剤が関連した症例が, 近年多数報告2)されるようになっている. 今回当院でも, 薬剤に関連し特徴的な内視鏡所見を呈した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:43歳, 女性. 主訴:水様性下痢. 現病歴:2012年...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 82; no. 1; pp. 184 - 185
Main Authors 水口, 國雄, 内藤, 善哉, 指山, 浩志, 八尾, 隆史, 浜畑, 幸弘, 堤, 修, 大橋, 一雅, 赤木, 一成, 辻仲, 康伸, 工藤, 恵子, 清水, 亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.06.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.82.1_184

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Summary:「はじめに」 Collagenous colitisは水様性下痢を主徴とし, 内視鏡所見はほぼ正常であるが, 病理組織学的に大腸被蓋上皮下に肥厚したcollagen bandの沈着と炎症細胞浸潤を伴う腸疾患として, 1976年にLindstromによって報告された疾患である1). 本邦では, 微細顆粒状粘膜, 血管網の増生, 線状粘膜欠損の軽微な内視鏡所見を呈し, その発症に薬剤が関連した症例が, 近年多数報告2)されるようになっている. 今回当院でも, 薬剤に関連し特徴的な内視鏡所見を呈した1例を経験したので報告する. 「症例」 患者:43歳, 女性. 主訴:水様性下痢. 現病歴:2012年1月頃より胸やけ症状を自覚し近医を受診. 逆流性食道炎の診断にてlansoprazoleの処方を受けた. 4月頃より水様下痢が6~7行/日出現するようになり同院受診され, lactomin, trimebutine meleateの処方を受けるも, 症状の改善がなく6月に当院外来受診となった.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.82.1_184