著明な出血を来した転移性胃腫瘍の1例
「はじめに」 原発性肺癌は早期から遠隔転移しやすいが, 直接浸潤を除く胃への遠隔転移は比較的稀である. さらに胃への転移が生前に発見され, 臨床的に問題となる報告は少ない. 今回我々は, 転移性胃腫瘍による臨床症状から発見に至り, また死因となった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 79歳, 男性. 主訴 : 一過性意識消失. 既往歴 : 大動脈弁狭窄症, 慢性心房細動(75歳時). 現病歴 : 2014年4月に右鼠径部腫脹を主訴に当院受診, 同部位および左大腿内側に可動不良な硬結性腫瘤を触知した. 全身検索により左肺S6に25mm大の結節および鼠径リンパ節腫脹が確認された. 経...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 86; no. 1; pp. 140 - 141 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.86.1_140 |
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Summary: | 「はじめに」 原発性肺癌は早期から遠隔転移しやすいが, 直接浸潤を除く胃への遠隔転移は比較的稀である. さらに胃への転移が生前に発見され, 臨床的に問題となる報告は少ない. 今回我々は, 転移性胃腫瘍による臨床症状から発見に至り, また死因となった1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 79歳, 男性. 主訴 : 一過性意識消失. 既往歴 : 大動脈弁狭窄症, 慢性心房細動(75歳時). 現病歴 : 2014年4月に右鼠径部腫脹を主訴に当院受診, 同部位および左大腿内側に可動不良な硬結性腫瘤を触知した. 全身検索により左肺S6に25mm大の結節および鼠径リンパ節腫脹が確認された. 経気管支肺生検より肺腺癌の診断に至った. 5月上旬から黒色便を認めるようになり, その5日後に一過性意識消失による階段からの転落があり当院へ搬送された. 入院時現症 : 身長155cm, 体重50kg, 体温35.7℃, 血圧121/90mmHg, 脈拍130回/分・不整, 呼吸数36回/分, SpO2 80%(room air). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.86.1_140 |