顔面非対称を伴う骨格性下顎前突症例の下顎骨形態の三次元計測による検討

「緒言」顎顔面部の非対称は先天性のもののほか, 胎児期, 幼児期, 青年期の環境因子に起因することが知られている. 下顎頭肥大, 咀嚼筋の不調和などの要因も指摘されており, その原因は多岐にわたっている. 成人症例では顔面非対称やそれに付随する審美性, 機能性の障害は矯正治療単独での改善は容易ではなく, 顎矯正手術の併用が必要になる. 顔面非対称における治療方針, 顎矯正手術治療の決定には頭部X線規格写真による二次元的な分析が行われているが, 拡大率の差や撮影状況により歪みが生じる可能性があるため, 的確な診断ならびに治療計画の立案を行うことは困難である. よりよい治療結果を得るためには, X...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 10 - 16
Main Authors 末石, 研二, 植木, 亮和, 高野, 伸夫, 高木, 多加志, 神尾, 崇, 西井, 康, 野嶋, 邦彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 15.04.2015
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.25.10

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Summary:「緒言」顎顔面部の非対称は先天性のもののほか, 胎児期, 幼児期, 青年期の環境因子に起因することが知られている. 下顎頭肥大, 咀嚼筋の不調和などの要因も指摘されており, その原因は多岐にわたっている. 成人症例では顔面非対称やそれに付随する審美性, 機能性の障害は矯正治療単独での改善は容易ではなく, 顎矯正手術の併用が必要になる. 顔面非対称における治療方針, 顎矯正手術治療の決定には頭部X線規格写真による二次元的な分析が行われているが, 拡大率の差や撮影状況により歪みが生じる可能性があるため, 的確な診断ならびに治療計画の立案を行うことは困難である. よりよい治療結果を得るためには, X線CT画像による三次元分析により顎骨形態を詳細に把握し, 顔面非対称の原因の究明と治療計画の立案が必要であると考えられる. 顔面非対称症例の三次元分析では, その形態的特徴として中下顔面領域の要因が挙げられており, 特に下顎骨に起因しているとの報告が見受けられる.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.25.10