腸重積で発症し,術前に診断しえた空腸腺腫の1例

症例は45歳男性. 数カ月前から食後の嘔気があり, 前医の腹部CT検査で腸重積と診断され, 当科を紹介された. 小腸造影検査で空腸に有茎性の腫瘤性病変を認め, 上部消化管内視鏡検査による生検で腺管腺腫と診断された. この病変が腸重積を起こし, 自然解除したものと考えた. 以上より空腸腺腫の診断で空腸部分切除術を施行した. 病変は10mmの茎を有する有茎性の35×10mm大の腫瘍で, 腺管腺腫と診断された. はじめに 小腸腫瘍は全消化管腫瘍のなかで最も頻度が低い. したがって, その報告は少なく, 詳細も不明な点が多い1). 今回, 腸重積を契機として発見され, 内視鏡検査で診断した空腸腺腫の1...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 68; no. 2; pp. 132 - 133
Main Authors 石戸, 保典, 鎌野, 俊紀, 神山, 博彦, 寺井, 潔, 冨木, 裕一, 坂本, 一博, 笠巻, 伸二, 奥沢, 淳司, 鵜瀞, 条, 前多, 力, 渡部, 智雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2006
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.68.2_132

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Summary:症例は45歳男性. 数カ月前から食後の嘔気があり, 前医の腹部CT検査で腸重積と診断され, 当科を紹介された. 小腸造影検査で空腸に有茎性の腫瘤性病変を認め, 上部消化管内視鏡検査による生検で腺管腺腫と診断された. この病変が腸重積を起こし, 自然解除したものと考えた. 以上より空腸腺腫の診断で空腸部分切除術を施行した. 病変は10mmの茎を有する有茎性の35×10mm大の腫瘍で, 腺管腺腫と診断された. はじめに 小腸腫瘍は全消化管腫瘍のなかで最も頻度が低い. したがって, その報告は少なく, 詳細も不明な点が多い1). 今回, 腸重積を契機として発見され, 内視鏡検査で診断した空腸腺腫の1例を経験したので報告する. 症例 患者:45歳, 男性. 主訴:食後の嘔気. 既往歴:12歳時, 虫垂炎で虫垂切除術. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:数カ月前から食後の嘔気を自覚するようになり, 近医を受診.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.68.2_132