頚動脈内膜剝離術におけるプラーク剝離の工夫─初心者の視点から

「背景」 閉塞性脳血管障害において, 頚部頚動脈狭窄症による虚血症状の進行予防に頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy: CEA)が有効である. 一方で, 頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)の有用性が示され, かつ近年, 無症候性頚動脈狭窄症については内科的治療の優位性も示されており, 若手脳神経外科医がCEAを経験する頻度は減少しつつあると思われる. しかし, CASもCEAに対し非劣性の位置づけであり, 高齢者においてはむしろCEAの優位性を指摘している報告もある. したがって, 症候性頚動脈狭窄症に対するCEAは, 脳...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 44; no. 5; pp. 352 - 356
Main Authors 小林, 夏樹, 村田, 英俊, 川原, 信隆, 岩田, 盾也, 田中, 貴大, 吉田, 俊, 大竹, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2016
日本脳卒中の外科学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.44.352

Cover

More Information
Summary:「背景」 閉塞性脳血管障害において, 頚部頚動脈狭窄症による虚血症状の進行予防に頚動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy: CEA)が有効である. 一方で, 頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting: CAS)の有用性が示され, かつ近年, 無症候性頚動脈狭窄症については内科的治療の優位性も示されており, 若手脳神経外科医がCEAを経験する頻度は減少しつつあると思われる. しかし, CASもCEAに対し非劣性の位置づけであり, 高齢者においてはむしろCEAの優位性を指摘している報告もある. したがって, 症候性頚動脈狭窄症に対するCEAは, 脳神経外科医に必須の手術手技に他ならない. CEAの有用性を保つためには, 周術期合併症を極力抑えることが重要であり, 経験症例数の少ない術者であっても安全に施行できるよう手技を確立すべきである. CEA施行時に陥りやすいpitfallを列挙し, それに対して当院で行っている手技の工夫について初心者の視点から報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.44.352