単眼カメラを用いた跳躍動作時の床反力推定手法の開発

跳躍動作は,スポーツの様々な場面でみられる基本動作である.跳躍動作の評価は,技能や体力の評価のみならず,競技パフォーマンス向上を目的としたトレーニングの実践にも貢献する.跳躍動作の評価には,最も基礎的な跳躍動作の垂直跳びが広く採用される.標準機器としてフォースプレートを使用し,床反力が計測されるが,利便性やコストの課題がある.本研究では,跳躍動作の新しい計測技術の実現にむけて,簡易的に使用できる単眼カメラを用いた床反力推定手法を開発した.時系列のカメラ画像を入力として,画像中の人物の3次元姿勢を推定し,さらに,3次元姿勢情報にTransformerをベースとしたディープラーニングモデルを適用す...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. Annual60; no. Proc; pp. 290 - 292
Main Authors 塩野谷, 明, 相原, 伸平, 坂井, 宝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2022
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual60.290

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Summary:跳躍動作は,スポーツの様々な場面でみられる基本動作である.跳躍動作の評価は,技能や体力の評価のみならず,競技パフォーマンス向上を目的としたトレーニングの実践にも貢献する.跳躍動作の評価には,最も基礎的な跳躍動作の垂直跳びが広く採用される.標準機器としてフォースプレートを使用し,床反力が計測されるが,利便性やコストの課題がある.本研究では,跳躍動作の新しい計測技術の実現にむけて,簡易的に使用できる単眼カメラを用いた床反力推定手法を開発した.時系列のカメラ画像を入力として,画像中の人物の3次元姿勢を推定し,さらに,3次元姿勢情報にTransformerをベースとしたディープラーニングモデルを適用することにより,跳躍動作時の床反力推定を可能とした.データ収集試験を行い,モデルの学習と評価を実施した.提案手法で推定した時系列データとフォースプレートで計測した床反力の時系列データとの相関係数は0.87であり,有意に強い相関を有することを確認した(P <0.001).垂直跳びの評価に使用される跳躍時の最大床反力の相関は0.90を達成した.先行研究で報告される回帰モデルを比較した結果, 最も高い精度となった.本研究により,カメラのみで床反力を推定できる可能性を見出した.また,本研究のアプローチは,歩行動作や走行動作などの床反力推定が可能であり,ヘルスケアやリハビリテーションへの応用が期待できる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual60.290