健診大腸内視鏡時に偶然発見されたヒト回虫症の一例
「症例」症例は50歳代の女性, 主訴は特になく, 健診目的に当院を受診し, 2018年7月に下部内視鏡検査を施行した. 子宮頸癌で子宮全摘の既往がある. 家族歴は母と娘に甲状腺疾患がある. 都内在住の韓国人で当院受診の約1年前に南シナ海の海南鳥に3か月間滞在していた. 下部内視鏡検査の抜去観察時にS状結腸に異物を発見した. 異物は乳白色で細長く絶えず動いており虫体と判断した. 虫体尾側部の内部にらせん状の構造物が透見でき, 生殖器であると考えられた. NBIでは虫体の体幹を縦に貫く褐色の構造物が強調され, 消化管であると考えられた. 虫体の尾部を愛護的に把持し, 回収ネットを用いて経肛門的に取...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 95; no. 1; pp. 107 - 108 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
20.12.2019
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.95.1_107 |
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Summary: | 「症例」症例は50歳代の女性, 主訴は特になく, 健診目的に当院を受診し, 2018年7月に下部内視鏡検査を施行した. 子宮頸癌で子宮全摘の既往がある. 家族歴は母と娘に甲状腺疾患がある. 都内在住の韓国人で当院受診の約1年前に南シナ海の海南鳥に3か月間滞在していた. 下部内視鏡検査の抜去観察時にS状結腸に異物を発見した. 異物は乳白色で細長く絶えず動いており虫体と判断した. 虫体尾側部の内部にらせん状の構造物が透見でき, 生殖器であると考えられた. NBIでは虫体の体幹を縦に貫く褐色の構造物が強調され, 消化管であると考えられた. 虫体の尾部を愛護的に把持し, 回収ネットを用いて経肛門的に取り除いた. 摘出した虫体は約10cmであった. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.95.1_107 |