悪性リンパ腫に合併したサイトメガロ直腸炎の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 62; no. 2; pp. 130 - 131
• Main Authors: 米田, 啓三, 青木, 達哉, 小方, 二郎, 小柳, 泰久, 加藤, 孝一郎, 坂本, 啓彰, 和田, 建彦
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2003; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: サイトメガロ直腸炎; 悪性リンパ腫
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.62.2_130

「はじめに」我々は, 悪性リンパ腫に合併したサイトメガロ直腸炎の1例を経験したので報告する. 「症例」患者：87歳, 男性. 主訴：下血. 既往歴：昭和10年結核. 昭和24年気胸. 平成3年肺腺癌にて肺部分切除術. 家族歴：特記事項なし. 現病歴：平成13年4月右胸痛, 胸部異常陰影を認め5月14日に入院となった. 入院時現症：身長163cm, 体重51kg, 体温36.5℃, 血圧135/72mmHg, 脈拍78/min整, 眼球結膜に黄染なく, 眼瞼結膜に貧血なし. 右腋窩リンパ節腫脹と右腋窩から右鎖骨上に弾性硬な腫瘍を触知. 腹部：平坦, 軟, 腸雑音正常, 圧痛なし. 浮腫無し. 神経学的に異常所見なし. 入院時検査所見：LDH, NSE, CRPの上昇を示した(Table 1). 入院後経過：胸部レントゲン, CTでは右胸腔から胸壁に広がる大きな腫瘍を認めた(Fig. 1). CTガイド下針生検にて悪性リンパ腫を疑ったが, この時点では確定診断はなされなかった. 腫瘍に対し放射線療法を開始し, 放射線照射中の12日目に大量下血を呈したため当科受診となった. 大腸内視鏡検査にて直腸に全周性の狭窄を伴う浅い潰瘍を認めたが, 観察時出血を認めず禁食, IVH管理となった. 以後14日間経過観察したが, 下血が続きHb 6.6g/dlと低下を認め大腸内視鏡検査を施行した.