内視鏡的治療を繰り返すことにより軽快したLemmel症候群の1例

「はじめに」Lemmel症候群は傍十二指腸憩室による括約筋の機能不全と憩室内食物残渣などによる機械的圧迫により, 胆管炎・膵炎を発症したものと考えられている. 我々は胆石様発作と閉塞性黄疸で発症し一度は内視鏡的乳頭拡張術(EPBD)で軽快したが, 5カ月後総胆管結石を発症し内視鏡的乳頭切開術(EST)とEPBDを併用することにより軽快した症例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 70歳, 女性. 「主訴」: 右上腹部痛. 「既往歴」: 高コレステロール血症. 「現病歴」: 4日前より上腹部痛にて近医受診, 胆石の疑いで当科紹介された. AST 184, ALT 259, T Bil 4...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 88; no. 1; pp. 164 - 165
Main Authors 多賀谷, 信美, 山下, 達矢, 竹束, 正二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 11.06.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.88.1_164

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Summary:「はじめに」Lemmel症候群は傍十二指腸憩室による括約筋の機能不全と憩室内食物残渣などによる機械的圧迫により, 胆管炎・膵炎を発症したものと考えられている. 我々は胆石様発作と閉塞性黄疸で発症し一度は内視鏡的乳頭拡張術(EPBD)で軽快したが, 5カ月後総胆管結石を発症し内視鏡的乳頭切開術(EST)とEPBDを併用することにより軽快した症例を経験したので報告する. 「症例」「患者」: 70歳, 女性. 「主訴」: 右上腹部痛. 「既往歴」: 高コレステロール血症. 「現病歴」: 4日前より上腹部痛にて近医受診, 胆石の疑いで当科紹介された. AST 184, ALT 259, T Bil 4.20, 腹部超音波検査・MRCPでは結石を認めず, 胆嚢炎の診断で, 10日間抗生剤の点滴による治療を施行した. しかし軽快傾向はみられず, 胆管結石が否定できないためERCPを施行した. 十二指腸には傍十二指腸憩室と食物残渣を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.88.1_164