人工心肺を使用する心臓外科手術における血中好中球エラスターゼ活性の経時変化

【背景】人工心肺(CPB)を使用した心臓外科手術において,術後に呼吸不全が生じることがある.これには CPB により活性化された好中球による肺傷害が関与すると考えられている.CPB を使用する心臓外科手術において,好中球の活性化の指標として,血中の好中球エラスターゼ活性(NEA)の経時変化を検討した. 【対象と方法】CPB を使用する成人予定心臓外科手術において CPB 前,CPB 30 分後,CPB 1 時間後,CPB 終了時に採血し,NEA を測定した. 【結果と考察】NEA は CPB 前には測定限界以下であったが,CPB 開始とともに漸増し CPB 終了時に有意に増加した.CPB 時間...

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Published in循環制御 Vol. 33; no. 3; pp. 196 - 198
Main Authors 石井, 久成, 福田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2012
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.33.196

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Summary:【背景】人工心肺(CPB)を使用した心臓外科手術において,術後に呼吸不全が生じることがある.これには CPB により活性化された好中球による肺傷害が関与すると考えられている.CPB を使用する心臓外科手術において,好中球の活性化の指標として,血中の好中球エラスターゼ活性(NEA)の経時変化を検討した. 【対象と方法】CPB を使用する成人予定心臓外科手術において CPB 前,CPB 30 分後,CPB 1 時間後,CPB 終了時に採血し,NEA を測定した. 【結果と考察】NEA は CPB 前には測定限界以下であったが,CPB 開始とともに漸増し CPB 終了時に有意に増加した.CPB 時間は 126±52 分(平均値±SD)であった.好中球が CPB に暴露されて 2~3 時間後に NEA が上昇することが示唆された.
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.33.196