ゾル状水溶性グルコマンナンの血糖上昇抑制効果の検討

「緒言」わが国の糖尿病患者数は, 生活習慣と社会環境の変化に伴って増加している. 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要によると, 「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性では約12%, 女性は約7%となっている. 日本人は, 欧米白人に比べインスリン分泌能が弱い遺伝的素因をもつ者が多く, 容易に高血糖になりやすい. 食後高血糖は, 脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなることが報告されている. また, 食後の短時間に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も動脈硬化を促進し, これらのリスクが上昇することが指摘されている. 以前は, 「血糖値スパイク」を把握する際に, 食後30~60分に血糖値を測定す...

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Published inNew Diet Therapy Vol. 40; no. 1; pp. 11 - 15
Main Authors 安田, 友未, 山﨑, 正幸, 植田, 福裕, 西澤, 果穂, 楠, 隆, 中村, 富予, 塩田, 隆, 朝見, 祐也, 寄玉, 昌宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床栄養協会 2024
日本臨床栄養協会
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ISSN0910-7258
2434-7159
DOI10.32270/jcna.40.1_11

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Summary:「緒言」わが国の糖尿病患者数は, 生活習慣と社会環境の変化に伴って増加している. 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要によると, 「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性では約12%, 女性は約7%となっている. 日本人は, 欧米白人に比べインスリン分泌能が弱い遺伝的素因をもつ者が多く, 容易に高血糖になりやすい. 食後高血糖は, 脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなることが報告されている. また, 食後の短時間に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」も動脈硬化を促進し, これらのリスクが上昇することが指摘されている. 以前は, 「血糖値スパイク」を把握する際に, 食後30~60分に血糖値を測定する方法がよく用いられていたが, 近年は, 持続自己血糖測定器が普及し, 持続測定データを用いた研究が増加してきた. これらの研究結果から, 非糖尿病の者であっても「血糖値スパイク」が潜んでいる者が多いことがわかってきている.
ISSN:0910-7258
2434-7159
DOI:10.32270/jcna.40.1_11