低侵襲心臓手術における腓腹筋局所酸素飽和度と blood volume index の検討

低侵襲心臓手術(MICS)では内頚静脈や大腿動静脈にカテーテルを挿入するため下肢虚血や静脈うっ血等の合併症の危険性がある。当院では下肢血流異常を早期発見する目的で近赤外分光法を用いて左右腓腹筋の局所酸素飽和度(rSO2)とblood volume index(BVI)を測定している。本研究ではカテーテルを右大腿動静脈と右内頚静脈から挿入して人工心肺(CPB)を確立した17症例について左右腓腹筋のrSO2とBVIを後方視的に調査した。腓腹筋rSO2はカテーテル挿入中に低下したが抜去後には回復した。腓腹筋rSO2は非侵襲的かつ持続的にCPBやカテーテル挿入の影響を鋭敏に捉え下肢血流異常を疑うのに有...

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Published in循環制御 Vol. 42; no. 2; pp. 100 - 105
Main Authors 三浦, 崇, 柴田, 伊津子, 横山, 明弘, 江石, 清行, 一ノ宮, 大雅, 吉富, 修, 原, 哲也, 横山, 陽香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 2021
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ISSN0389-1844
DOI10.11312/ccm.42.100

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Summary:低侵襲心臓手術(MICS)では内頚静脈や大腿動静脈にカテーテルを挿入するため下肢虚血や静脈うっ血等の合併症の危険性がある。当院では下肢血流異常を早期発見する目的で近赤外分光法を用いて左右腓腹筋の局所酸素飽和度(rSO2)とblood volume index(BVI)を測定している。本研究ではカテーテルを右大腿動静脈と右内頚静脈から挿入して人工心肺(CPB)を確立した17症例について左右腓腹筋のrSO2とBVIを後方視的に調査した。腓腹筋rSO2はカテーテル挿入中に低下したが抜去後には回復した。腓腹筋rSO2は非侵襲的かつ持続的にCPBやカテーテル挿入の影響を鋭敏に捉え下肢血流異常を疑うのに有用であると思われた。腓腹筋BVIは数値にばらつきが大きく、臨床活用には更なる症例の積み重ねと検討が必要と思われた。
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.42.100