複数の露出血管を伴った成人Meckel憩室出血の1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 99; no. 1; pp. 108 - 110
• Main Authors: 中河原, 浩史, 藤川, 博敏, 河田, 洲, 金子, 桂士, 根本, 則道, 芳賀, 大生, 森山, 光彦, 菊田, 大一郎
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 03.12.2021; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: Meckel憩室出血; 露出血管
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.99.1_108

「I 緒言」Meckel憩室は卵黄管遺残により小腸にできる憩室で, 腹痛や消化管出血を起こすことがある. 今回, 血便を契機に発見され, 複数の露出血管からの出血を認めた成人Meckel憩室出血を経験したので報告する. 「II 症例」患者:60歳代, 男性. 主訴:血便, 上腹部痛. 現病歴:頻回の血便と上腹部痛のため, 当院に救急搬送された. 血液検査で軽度貧血があり, 精査加療目的に入院となった. 既往歴:高血圧症 内服薬:カンデサルタン シレキセチル 現症:体温36.3度, 血圧130/92mmHg, 脈拍85回/分・整, 眼瞼結膜貧血なし, 胸部聴診異常なし, 腹部平坦で軟, 心窩部に圧痛あり, 反跳痛なし, 下腿浮腫なし. 血液生化学検査:Hb 12.0g/dlと軽度低値, BUN 22.9mg/dl, Cr 0.82mg/dlと軽度乖離があったが, 他に異常値はみられなかった. 上部消化管内視鏡:胃底腺ポリープのみで, 出血所見はなかった.