経肛門的イレウス管が有効であった悪性大腸閉塞の2例

「症例」 【症例1】 患者:86歳, 女性. 主訴:右側腹部痛. 現病歴:2カ月前より心窩部に不快感があり, 近医で上部内視鏡検査を施行. 胃前庭部大彎に3型進行胃癌が認められ, 生検で未分化型腺癌の診断であった. 精査治療のため当科紹介受診. 外来検査通院中に, 急激な右側腹部痛が出現し救急搬送された. 腹部触診では右季肋部~右下腹部に圧痛あり. 腹部CT検査で大網の結節状肥厚を認めた. また横行結腸の壁は肥厚し, 上行結腸には多量の便塊貯留を認め, 大腸閉塞が疑われた(Fig.1). 大腸内視鏡検査では横行結腸近位側に閉塞があり, スコープは通過しなかった(Color 1). 上皮性腫瘍を...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 166 - 167
Main Authors 安田, 伊久磨, 豊水, 道史, 片倉, 芳樹, 浅木, 努史, 足立, 清太郎, 吹田, 洋將
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.83.1_166

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Summary:「症例」 【症例1】 患者:86歳, 女性. 主訴:右側腹部痛. 現病歴:2カ月前より心窩部に不快感があり, 近医で上部内視鏡検査を施行. 胃前庭部大彎に3型進行胃癌が認められ, 生検で未分化型腺癌の診断であった. 精査治療のため当科紹介受診. 外来検査通院中に, 急激な右側腹部痛が出現し救急搬送された. 腹部触診では右季肋部~右下腹部に圧痛あり. 腹部CT検査で大網の結節状肥厚を認めた. また横行結腸の壁は肥厚し, 上行結腸には多量の便塊貯留を認め, 大腸閉塞が疑われた(Fig.1). 大腸内視鏡検査では横行結腸近位側に閉塞があり, スコープは通過しなかった(Color 1). 上皮性腫瘍を認めず, 生検ではClass Iであり, 胃癌の壁外からの浸潤が原因で大腸閉塞を来しているものと考えられた(T4bN0M0, Stage IIIb). 経肛門的イレウス管を挿入したところ, 多量の排便があり, 症状の改善を認めた(Fig.2). 【症例2】 患者:84歳, 女性.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.83.1_166