破裂内頚動脈血豆状動脈瘤37例の治療成績
破裂内頚動脈血豆状動脈瘤(BBA)は,治療困難動脈瘤の1つである.過去20年間の破裂BBA 37例 38動脈瘤を対象とし,治療方法別に結果を検討した.治療の内訳は,外科治療 20例 20動脈瘤,血管内治療 17例 18動脈瘤であった.外科治療では17例(85%)でバイパスを併用した.血管内治療では全例LVIS stentを使用した.術後再出血は外科治療の1例のみであった.外科治療では,術中破裂(4/20 vs 0/18: p=0.065)と血管攣縮による脳梗塞(7/20 vs 4/18: p=0.306)が多い傾向があった.血管内治療では,血栓性合併症(2/20 vs 6/18: p=0.08...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 52; no. 5; pp. 347 - 353 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2024
日本脳卒中の外科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.52.347 |
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Summary: | 破裂内頚動脈血豆状動脈瘤(BBA)は,治療困難動脈瘤の1つである.過去20年間の破裂BBA 37例 38動脈瘤を対象とし,治療方法別に結果を検討した.治療の内訳は,外科治療 20例 20動脈瘤,血管内治療 17例 18動脈瘤であった.外科治療では17例(85%)でバイパスを併用した.血管内治療では全例LVIS stentを使用した.術後再出血は外科治療の1例のみであった.外科治療では,術中破裂(4/20 vs 0/18: p=0.065)と血管攣縮による脳梗塞(7/20 vs 4/18: p=0.306)が多い傾向があった.血管内治療では,血栓性合併症(2/20 vs 6/18: p=0.086)と再治療(0/20 vs 3/18: p=0.096)が多い傾向があった.血管内治療での血栓性合併症は,重症くも膜下出血,発症当日の治療に多い傾向があった.血管内治療2例に術後シルビウス裂の血腫増大がみられた.治療方法による転帰良好例(modified Rankin Scale ≤2)に差はみられなかった(16/20 vs 11/18: p=0.178).各治療方法には,それぞれ注意すべき特徴的な合併症があり,症例の状態に応じた治療方法選択が重要である. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.52.347 |