寒冷水中環境での最大下運動時における骨格筋の低酸素化と解糖系代謝の亢進
「1. 緒言」冬季スポーツや洪水・津波等の自然災害に遭遇した際など, 寒冷環境で人間が活動しなければならない場面は多々あるが, 寒冷環境は人間の身体活動に大きな影響を及ぼす. 身体が寒冷環境に曝露された場合, 周囲の温度と皮膚温の温度差により皮膚から放熱が起き, 深部温が低下する一方, 末梢の皮膚血管収縮による放熱の抑制や震えを発現することによる熱産生の亢進が起こる. 震えは寒冷によるストレスが増すにつれて, 大きくなっていくことが知られており, 安静状態では, 深部体温35℃程度で震えが最大となり, それによって酸素摂取量の増加は, 最大で最大酸素摂取量の40~50%相当にまで達するとされて...
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| Published in | 日本生理人類学会誌 Vol. 28; no. 3; pp. 57 - 69 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本生理人類学会
25.08.2023
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| Subjects | |
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| ISSN | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI | 10.20718/jjpa.28.3_57 |
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| Summary: | 「1. 緒言」冬季スポーツや洪水・津波等の自然災害に遭遇した際など, 寒冷環境で人間が活動しなければならない場面は多々あるが, 寒冷環境は人間の身体活動に大きな影響を及ぼす. 身体が寒冷環境に曝露された場合, 周囲の温度と皮膚温の温度差により皮膚から放熱が起き, 深部温が低下する一方, 末梢の皮膚血管収縮による放熱の抑制や震えを発現することによる熱産生の亢進が起こる. 震えは寒冷によるストレスが増すにつれて, 大きくなっていくことが知られており, 安静状態では, 深部体温35℃程度で震えが最大となり, それによって酸素摂取量の増加は, 最大で最大酸素摂取量の40~50%相当にまで達するとされている. 一方で, 寒冷環境で運動を行った場合では, 常温環境と比較して筋力, 筋収縮速度が低下し, 最大酸素摂取量が低下するなどの報告がある. |
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| ISSN: | 1342-3215 2432-0986 |
| DOI: | 10.20718/jjpa.28.3_57 |