福岡歯科大学医科歯科総合病院における27年間の顎矯正手術症例の検討

「緒言」顎変形症に対する外科的矯正治療は社会的認知度が向上されるとともに, 今や全国の口腔外科の施設で顎矯正手術が数多く行われ, 口腔外科領域の重要な一診療分野となっている. 顎矯正手術は外傷や腫瘍疾患等と異なり, 主治医に説得されるというより患者自ら手術を希望することから患者意思に依存する選択的な手術ともいわれ, 主訴に多様な形態的要素が含まれ, 咬合改善を中心とする機能回復を治療の主目的とした時代から, 審美的要因の改善をも重要視する時代に変化しており, より緻密な治療計画と安全で確実な技術を要求される. 当科では1977年より顎矯正手術に取り組み, 1991年に冨田らが顎矯正手術の実態を...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 29; no. 1; pp. 51 - 58
Main Authors 合屋, 健, 升井, 一朗, 泉, 喜和子, 池邉, 哲郎, 城間, 可奈子, 井上, 庸子, 下田, 恒久, 永嶌, 勝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 2019
日本顎変形症学会
Subjects
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd.29.51

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Summary:「緒言」顎変形症に対する外科的矯正治療は社会的認知度が向上されるとともに, 今や全国の口腔外科の施設で顎矯正手術が数多く行われ, 口腔外科領域の重要な一診療分野となっている. 顎矯正手術は外傷や腫瘍疾患等と異なり, 主治医に説得されるというより患者自ら手術を希望することから患者意思に依存する選択的な手術ともいわれ, 主訴に多様な形態的要素が含まれ, 咬合改善を中心とする機能回復を治療の主目的とした時代から, 審美的要因の改善をも重要視する時代に変化しており, より緻密な治療計画と安全で確実な技術を要求される. 当科では1977年より顎矯正手術に取り組み, 1991年に冨田らが顎矯正手術の実態を報告して以降は調査を行っていない. それ以降の過去27年間に施行された顎矯正手術の動向を調査し, 今後の治療の向上のために改善すべき問題点を検討したので報告する.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.29.51