内視鏡的胆管ステント留置法後に増悪した閉塞性膵炎に対して,内視鏡的膵管ステント留置術が有効であった下部胆管癌の1例

「はじめに」 切除不能悪性胆道狭窄に対する内視鏡的胆道ステント留置法(EBS)にはチューブステント(TS)と金属ステント(MS)の選択がある. また, 癌性膵管狭窄に対する内視鏡的膵管ステント留置術(EPS)の適応について, 現状において統一された見解は得られていない. 「症例」 患者:89歳, 女性. 主訴:発熱・腹痛. 現病歴:平成21年6月に発熱・腹痛にて近医を受診. 閉塞性黄疸に対して経皮経肝胆道ドレナージ術(PTBD)施行. 画像上, 下部胆管癌と診断するも, 年齢的に手術は困難でありEBS施行目的で7月に当院へ転院となった. 入院後経過:腹部CT検査にて下部胆管に20mm大の腫瘤性...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 79; no. 2; pp. 116 - 117
Main Authors 石原, 眞悟, 増尾, 貴成, 岩本, 敦夫, 奥野, のぞみ, 綿貫, 雄太, 古谷, 健介, 押本, 浩一, 荒井, 泰道, 栗原, 英心, 佐藤, 洋子, 伊島, 正志, 鏑木, 大輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2011
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.79.2_116

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Summary:「はじめに」 切除不能悪性胆道狭窄に対する内視鏡的胆道ステント留置法(EBS)にはチューブステント(TS)と金属ステント(MS)の選択がある. また, 癌性膵管狭窄に対する内視鏡的膵管ステント留置術(EPS)の適応について, 現状において統一された見解は得られていない. 「症例」 患者:89歳, 女性. 主訴:発熱・腹痛. 現病歴:平成21年6月に発熱・腹痛にて近医を受診. 閉塞性黄疸に対して経皮経肝胆道ドレナージ術(PTBD)施行. 画像上, 下部胆管癌と診断するも, 年齢的に手術は困難でありEBS施行目的で7月に当院へ転院となった. 入院後経過:腹部CT検査にて下部胆管に20mm大の腫瘤性病変を認め, 末梢胆管の拡張に加え主膵管の拡張もみられた(Fig.1-a, b). 血液検査では肝胆道系酵素の上昇に加え, 膵酵素の上昇を認めていた(Table 1). 下部胆管癌による閉塞性黄疸・閉塞性膵炎と診断した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.79.2_116