虫垂に発症した消化管重複症の1例
「はじめに」 消化管重複症は非常に稀な消化管奇形で, 回腸・回盲部に多くみられ, 虫垂に発症するものは極めて稀である. 欧米では消化管重複症の癌化の報告もあり, 消化管粘膜下腫瘍の鑑別診断として本疾患を念頭に置く必要がある. 今回我々は虫垂に発症した消化管重複症の1例を経験したため, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:67歳, 男性. 主訴:なし. 既往歴:心房細動, 左鼠径ヘルニア. 現病歴:近医で下部消化管内視鏡検査を施行したところ盲腸粘膜下腫瘍を指摘され, 精査加療目的に当院当科紹介受診となった. 血液生化学検査:特記すべき異常所見を認めなかった. 下部消化管内視鏡検査...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 83; no. 1; pp. 164 - 165 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
14.12.2013
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.83.1_164 |
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Summary: | 「はじめに」 消化管重複症は非常に稀な消化管奇形で, 回腸・回盲部に多くみられ, 虫垂に発症するものは極めて稀である. 欧米では消化管重複症の癌化の報告もあり, 消化管粘膜下腫瘍の鑑別診断として本疾患を念頭に置く必要がある. 今回我々は虫垂に発症した消化管重複症の1例を経験したため, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:67歳, 男性. 主訴:なし. 既往歴:心房細動, 左鼠径ヘルニア. 現病歴:近医で下部消化管内視鏡検査を施行したところ盲腸粘膜下腫瘍を指摘され, 精査加療目的に当院当科紹介受診となった. 血液生化学検査:特記すべき異常所見を認めなかった. 下部消化管内視鏡検査:虫垂開口部に一致して径15mm大の弾性硬な粘膜下腫瘍様の隆起を認めた. 粘液の流出は認めなかった(Color 1). 超音波内視鏡検査:粘膜下層あるいは筋層より連続する径15mm大の粘膜下腫瘤を認めた. 内部エコーは均一で無エコー域や石灰化などは認めなかった(Fig.1). |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.83.1_164 |