診断に難渋した大腸びまん浸潤型印環細胞癌の1例
「はじめに」 びまん浸潤型大腸癌は非常に稀な疾患であり, 全大腸癌に占める割合は0.1%1)~1.1%2)とされ, 術前の大腸内視鏡検査で生検組織診による癌の検出率は低い. 今回我々はStage IVの大腸びまん浸潤型印環細胞癌を経験した. 本症は, 炎症性腸疾患, 虚血性腸炎, 転移性大腸癌と鑑別が困難であり, 診断に難渋した貴重な症例であると考え, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:58歳, 男性. 主訴:血便, 左下腹部痛. 既往歴:50歳時に高血圧. 54歳時に脳梗塞. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:1カ月続く血便, 左下腹部痛を主訴に当院受診. 精査加療目的に当院...
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          | Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 81; no. 2; pp. 138 - 139 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
    
        07.12.2012
     日本消化器内視鏡学会関東支部会  | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1348-9844 2187-4999  | 
| DOI | 10.11641/pde.81.2_138 | 
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| Summary: | 「はじめに」 びまん浸潤型大腸癌は非常に稀な疾患であり, 全大腸癌に占める割合は0.1%1)~1.1%2)とされ, 術前の大腸内視鏡検査で生検組織診による癌の検出率は低い. 今回我々はStage IVの大腸びまん浸潤型印環細胞癌を経験した. 本症は, 炎症性腸疾患, 虚血性腸炎, 転移性大腸癌と鑑別が困難であり, 診断に難渋した貴重な症例であると考え, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:58歳, 男性. 主訴:血便, 左下腹部痛. 既往歴:50歳時に高血圧. 54歳時に脳梗塞. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:1カ月続く血便, 左下腹部痛を主訴に当院受診. 精査加療目的に当院入院となった. 入院時現症:特記すべきことなし. 入院時検査所見:CEA 10.6ng/mlと上昇を認めた. 腹部CT検査所見:直腸~S状結腸にわずかに造影効果を伴う壁肥厚(Fig.1-a~c), 仙骨前面の脂肪織の上昇(Fig.1-b), 左水腎症(Fig.1-d)を認めた. | 
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999  | 
| DOI: | 10.11641/pde.81.2_138 |