咽喉頭異常感に対する咽喉頭粘膜表面麻酔効果

咽喉頭異常感を有する450名を対象として咽喉頭粘膜の表面を軽く麻酔した際の効果を検討したところ, 80%の例で異常感覚は10%以上軽減し44%の例でそれは消失した. この結果, 異常感覚をひきおこしている原因の少なくとも80%は咽喉局所に存在し, 異常感覚を感受し認知する感覚器系統は局所麻酔剤により抑制されうる性状を有していることが判明した. 咽喉頭異常感を訴える患者の診療に際して, 局所の表面麻酔効果を検討することは原因となる疾患を検索するうえで重要であり, 治療方針を立てるうえでも有用である可能性がある....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 91; no. 3; pp. 348 - 355,455
Main Authors 坂倉, 康夫, 原田, 輝彦, 山際, 幹和, 久保, 将彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.1988
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.91.348

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Summary:咽喉頭異常感を有する450名を対象として咽喉頭粘膜の表面を軽く麻酔した際の効果を検討したところ, 80%の例で異常感覚は10%以上軽減し44%の例でそれは消失した. この結果, 異常感覚をひきおこしている原因の少なくとも80%は咽喉局所に存在し, 異常感覚を感受し認知する感覚器系統は局所麻酔剤により抑制されうる性状を有していることが判明した. 咽喉頭異常感を訴える患者の診療に際して, 局所の表面麻酔効果を検討することは原因となる疾患を検索するうえで重要であり, 治療方針を立てるうえでも有用である可能性がある.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.91.348