慢性副鼻腔炎手術時出血量について

昭和53年1月より昭和62年3月までの約9年間に, 局所麻酔下で慢性副鼻腔炎手術を行った初回手術140症例 (251側) において手術時出血量を測定し, 出血量に影響する要因および術中多量出血に関する量的定義とその原因を検討した. 平均手術時出血量は195gであり, 手術時出血量と相関を認めたものは手術所要時間, 鼻内所見, 術前CT所見, 上顎洞貯留物, 上顎洞粘膜病態であった. また術中多量出血 (経験的な定義として400g以上の出血量) を示したものは全症例の約10%であった. 手術記載より術中多量出血の原因は篩骨蜂巣開放や自然孔拡大のごとく鼻腔側壁後方の操作によるものが最も多く37%で...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 91; no. 4; pp. 532 - 538,645
Main Authors 矢野, 純, 飯沼, 壽孝, 加瀬, 康弘, 牛嶋, 達次郎, 船井, 洋光, 堀内, 康治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.04.1988
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.91.532

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Summary:昭和53年1月より昭和62年3月までの約9年間に, 局所麻酔下で慢性副鼻腔炎手術を行った初回手術140症例 (251側) において手術時出血量を測定し, 出血量に影響する要因および術中多量出血に関する量的定義とその原因を検討した. 平均手術時出血量は195gであり, 手術時出血量と相関を認めたものは手術所要時間, 鼻内所見, 術前CT所見, 上顎洞貯留物, 上顎洞粘膜病態であった. また術中多量出血 (経験的な定義として400g以上の出血量) を示したものは全症例の約10%であった. 手術記載より術中多量出血の原因は篩骨蜂巣開放や自然孔拡大のごとく鼻腔側壁後方の操作によるものが最も多く37%であった.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.91.532