ECMO回路30日間保管後の無菌性および人工肺性能維持の評価
ELSO General Guidelines for ECLS Cases 2017年度版では、ECMO回路保管期間は回路充填後30日間までが推奨されている。しかし、多孔質ポリプロピレン中空糸を支持体としたシリコーン膜を用いた人工肺を含むECMO回路における検討はなされておらず、日本の基準は存在しない。そこで、多孔質ポリプロピレン中空糸を支持体としたシリコーン膜を用いた人工肺を含むECMO回路30日間保管における無菌性および人工肺性能維持の評価を実施した。ECMO回路を未充填状態で保管するドライ群(n=5)と、プライミング充填状態で保管するウェット群(n=5)に群分けした。細菌検査として、B...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 50; no. 1; pp. 1 - 10 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2023
日本体外循環技術医学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/jject.50.1 |
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Summary: | ELSO General Guidelines for ECLS Cases 2017年度版では、ECMO回路保管期間は回路充填後30日間までが推奨されている。しかし、多孔質ポリプロピレン中空糸を支持体としたシリコーン膜を用いた人工肺を含むECMO回路における検討はなされておらず、日本の基準は存在しない。そこで、多孔質ポリプロピレン中空糸を支持体としたシリコーン膜を用いた人工肺を含むECMO回路30日間保管における無菌性および人工肺性能維持の評価を実施した。ECMO回路を未充填状態で保管するドライ群(n=5)と、プライミング充填状態で保管するウェット群(n=5)に群分けした。細菌検査として、BHI培地による細菌培養評価およびエンドトキシン評価を実施した。また、人工肺性能評価として、酸素移動量、二酸化炭素移動量、圧力損失を評価した。 その結果、すべての検体に菌の繁殖を示す培地の濁りは認められず、エンドトキシン値は検出限界値以下であった。また、人工肺性能の低下は認められず、人工肺のガス交換能仕様に適合した。 本研究の結果から、多孔質ポリプロピレン中空糸を支持体としたシリコーン膜を用いた人工肺を含むECMO回路は充填後30日間保管が可能であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/jject.50.1 |