インドネシア2020年人口・住宅センサスにおけるCOVID-19パンデミックの影響
本稿では,COVID-19パンデミック下で実施されたインドネシアの2020年人口・住宅センサスについて,政府資料やメディア報道,および中央統計庁職員への聞取りをもとにその実態を解説する.インドネシアの2020年人口・住宅センサスは,COVID-19の感染拡大によってさまざまな変更を迫られた.特にジャワ島のほぼ全域と外島の都市部における訪問面接調査が中止されたことで,同地域の人口データが,氏名,性別,続柄といった基礎情報のみに限定された.その背景には,COVID-19パンデミック対策に向けて2020年度の政府予算が再編され,2020年人口・住宅センサスに関する予算も大幅な削減を余儀なくされたこと...
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| Published in | E-journal GEO Vol. 18; no. 2; pp. 400 - 411 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本地理学会
2023
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| Subjects | |
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| ISSN | 1880-8107 |
| DOI | 10.4157/ejgeo.18.400 |
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| Summary: | 本稿では,COVID-19パンデミック下で実施されたインドネシアの2020年人口・住宅センサスについて,政府資料やメディア報道,および中央統計庁職員への聞取りをもとにその実態を解説する.インドネシアの2020年人口・住宅センサスは,COVID-19の感染拡大によってさまざまな変更を迫られた.特にジャワ島のほぼ全域と外島の都市部における訪問面接調査が中止されたことで,同地域の人口データが,氏名,性別,続柄といった基礎情報のみに限定された.その背景には,COVID-19パンデミック対策に向けて2020年度の政府予算が再編され,2020年人口・住宅センサスに関する予算も大幅な削減を余儀なくされたことが大きく影響していた.インドネシアの2020年人口・住宅センサスは,以前のデータとの整合性を維持できなくなったことから,今後は人口センサスの調査方法の方針も大きく変わっていくと考えられる. |
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| ISSN: | 1880-8107 |
| DOI: | 10.4157/ejgeo.18.400 |